インプラントとは体の中に埋め込む材料を医療の分野で総称していますが、歯科医療では歯科インプラントと言います。インプラント治療は、虫歯などで失われた歯を補う為に、顎の骨に人工の歯根を埋め込み義歯の土台を作り、その上に人工の歯冠を被せる治療法です。
長年歯を失った場合の治療法は、ブリッジか入れ歯という選択がされてきましたが、歯科インプラントが選択肢に入り、他の歯を削ることなく独立した歯を作る事が可能になりました。
インプラント治療は、天然歯とほぼ同等の噛む力や審美性があり、またインプラントはチタン製ですのでアレルギーが起こりにくい素材であり安全性が高いというメリットがある一方で、他の治療との大きな違いは外科手術が伴うこと、保険適用外なので費用が高い、治療期間が長いなどのデメリットもありますので、まだまだ普及半ばの治療と言えますが、歯科医療の進歩とインプラントを実施する歯科医の増加に伴い選択する人が増えていることも事実です。
また、インプラント治療は稀に不適合な人もいますので、十分な検査も必要となります。

インプラント治療は自費治療です。歯科治療には保険治療と自費治療がありますが、日本の保険診療は最低限の範囲で行われますので、提供出来る治療は限られた範囲でしか行う事が出来ません。質の高い治療が必要な場合は、保険適応外となりますので、インプラント治療も自費治療となります。





インプラント治療の流れを丁寧に説明し、これから検査を行い適切な診断をする為に、病歴やアレルギー有無などの情報を共有しながら、しっかりとコミュニケーションを取り疑問や不安を解消します。

• お口の状態、虫歯や歯周病、歯並び、噛み合わせなどを診察します。虫歯や歯周病が感染するとインプラントが顎の骨と結合しない場合もあるので、治療スケジュールをしっかり立てることが重要です。
• レントゲン診査や口腔内撮影は、パノラマ（全顎総覧撮影用X線装置）で鼻から下顎までの全体像を確認、デンタル（口内法撮影用X線装置）で歯や周辺の組織を確認、また歯科用CTを使い様々な角度からインプラント埋入のシミュレーションを行います。

パノラマ（全顎総覧撮影用X線装置）
鼻から下顎までの全体像を確認します。



歯科用CT
正確にドリルの角度と方向などを決定します。








局所麻酔を行い、歯茎を切開します。
サージカルガイドで正確な方向や深さを決定し、ドリルで穴を空けます。



埋入されたインプラントがレントゲン写真で確認できます。



歯茎を閉じて縫合し、インプラントと顎の骨がしっかりと結合されるのを待ちます。
安定期間は3ヶ月から6ヶ月です。






インプラントと顎の骨がしっかり結合したら、歯茎を切り開き、新たに形成された骨を削り一時的な土台を装着します。







インプラントが問題なく顎の骨に定着した後、人工歯を被せますが、この際に精密な型取りを行います。人工歯と歯茎の間に隙間があったり、噛み合わせが上手くいかないとインプラントに負担がかかるなど、パーツの破損につながる場合もありますので、インプラント治療の重要な最終工程となります。



仮歯を入れて噛み合わせの調整をします。








噛み合わせを調整しながら人工歯を装着します。





インプラント治療後は天然の歯と同じように噛むことができ、とても快適に食事ができるでしょう。
しかしインプラントは入れておしまいではなく、その良好な状態を長く維持していくためには、その後のメインテナンスがとても大切です。