エクストルージョンとは、部分矯正の一種で、矯正的廷出、歯根廷出術という治療法です。被せ物の中に虫歯菌が入り、歯肉の下まで侵されてしまったケースなどは、歯根しか残っていない状態ですので、これまでは保存することが難しいとされてきました。しかしこのエクストルージョンという治療法は、この様な場合でも、歯を残すことが出来、残った歯を活用し他の歯を削ることなく欠損部分を補うことができるのです。十分な歯根の長さと残っているはが健康であることが条件です。
治療方法は、右の図の様に、隣接する歯を利用して針金とゴムで歯茎の中に残った歯根を少しずつ引っ張り出し、廷出された部分を使って被せ物をします。
術前
歯が歯茎にほとんど埋まっている状態です。
術前
真下から見た状態です。
両隣の歯の裏側に針金を固定して、埋まっている歯にフックをかけて引っ張りだします。
矯正中は仮歯を被せますので、見た目では分かりません。
仮歯を装着した状態です。
約4ヶ月で歯根の頭が出てきました。
2mm以上の歯質がないと被せ物ができません。
治療では、歯根と歯肉、骨が引っ張り出されますので歯周外科処置を施します。
最終補綴物をセットし終了です。