顕微鏡治療とは、顕微鏡を用いた精密歯科診療です。
これまでは肉眼または拡大鏡を使い、拡大鏡は肉眼の2〜5倍の大きさで治療を行ってきましたが、歯科治療用顕微鏡(マイクロスコープ)の登場により、肉眼では確認できない非常に細かな部分まで手が届くようになりました。
歯茎の深いところの歯石も見逃さずに取れるようになり、また通常の歯科用レントゲンでは確認できない病巣をより速やかに確認出来、さらに僅か1mmの歯の中の神経の穴(根管)の位置や、複雑な走行までも確認することが出来る様になりました。
つまり、これまで抜いてしまっていた神経や歯を残せる可能性が高くなったのです。
日本の歯科医院で顕微鏡を常設しているのは、全体の5%程度しかありません。歯科医院が顕微鏡治療を導入しているか否か、歯科医院を選ぶ時の判断材料として考えるのもひとつの手ではありますが、顕微鏡治療は高い技術と経験が必要ですので、ウェブサイトなどで歯科医の治療に対する考え方を確認されるのが最も賢明かと思います。
根管治療は、虫歯が神経まで達してしまったり、既に神経を取った歯が痛みや腫れなどの問題を起こし再治療が必要とされる場合に行います。
これまでは目視や拡大鏡を使用し手探りで治療していましたが、顕微鏡下ではこの様に歯の根を直接見ることが出来ます。
根管治療が終わった後です。
オレンジ色のものは、歯の根の中に入れた詰め物です。
根管治療後、根管内をしっかりと乾燥させます。清潔になった歯の根の中に再び細菌が入らないように、最終的な詰め物をしますが、この時しっかりと乾燥させることでより緊密に充填することが可能となります。
しっかりと乾燥、しっかり詰めることが最も重要です。
健康な歯を出来るだけ削らない、被せない治療のひとつです。
セラミックに近い樹脂を材料とし、欠けた歯に直接盛り付けて形成したり、充填を行い天然歯に近づけます。
写真は虫歯菌をしっかりと取り除き、樹脂を充填するところです。
虫歯の初期の段階でも、顕微鏡下で出来るだけ削らない治療を行えば、歯の寿命を延ばすことに繋がります。
顕微鏡下でしっかりと観察いながら丁寧に虫歯菌を除去します。
虫歯を削った所に隙間無く精密に樹脂を充填します。
樹脂を詰めた後の状態です。
歯周ポケットが深い場合は歯周外科が適応になる場合があります。
顕微鏡を使った治療は、虫歯や歯周病などの重度の段階には最も必要性が高く、歯を救い歯の寿命を延ばす有効な手段です。
顕微鏡を使って、歯石や歯周病菌を徹底的に取り除き、歯周組織を再生します。
歯周ポケットが深い部分を検査しています。
歯周病の進行が進み歯周ポケットの深い所に、汚れが付着していますので、外科治療を行いました。
顕微鏡下で丁寧に感染源を除去します。
顕微鏡を使うことで、この様に歯茎の深い所までしっかりと確認しながら治療出来ます。