C3は、虫歯が象牙質を破壊し、神経にまで感染した状態です。神経に感染してもその程度により激痛を伴うもの、伴わないものまで様々な症状がありますが、多くの人が何もしていなくてもズキズキと痛みを感じるようになります。
歯根の先に膿が溜まって、炎症を起こしている場合も少なくありません。表面の穴が小さくても奥で広がっていることもあり、そこで細菌が増殖しているのです。
C3は重度段階の虫歯です。ここまで進行した虫歯は、神経の処置をしなければなりませんが、神経の治療はとても困難です。
歯の神経は、歯の最も内部の無数の毛細血管がある部分に位置し、歯に栄養と酸素を供給するとても大切な役割を持っています。また歯への刺激を感知して虫歯菌や歯周病などから守る機能も持っています。しかし、神経を取ってしまった歯は、栄養が行き届かないので細菌に感染しやすくなり、そして歯の寿命は大幅に短くなるのです。
神経を取ってしまった歯の二次虫歯に悩まされる人は非常に多く、成人の虫歯治療の殆どが二次虫歯による再治療です。詰め物や被せ物は、歯にしっかり接着されますが、長期間使用するにつれて接着部分に隙間が生じてきます。その僅かな隙間から細菌が侵入するのです。
歯と詰め物の隙間を通常の歯磨きだけで虫歯予防することは出来ません。
小さな詰め物でしたら変色などで虫歯に気付きやすいですが、被せ物などに覆われている歯は、見た目では判断することができないので、二次虫歯の発見は痛くなってからと言う人が殆どです。
たけ歯科クリニックでは、神経が死んでいなければ、可能な限り神経を残したいと考えていますが、死んでしまった神経と炎症が起きている部分は取り除かなければなりません。根管治療(こんかんちりょう)が必要になります。根管治療は、歯の根っこの治療ですが、神経が入っている歯の根の管内を洗浄、消毒して薬剤を詰めて被せ物をします。根管治療をしっかり行うか行わないかで歯の寿命が大きく左右しますので、自分の歯を残して歯の機能を回復させることが大切です。
抜髄という神経を取り除く治療をしなければならない歯でも、神経を残せる治療もあります。虫歯が進行したところまでの組織を除去した状態で、神経を取らずにMTAという特殊な材料で蓋をする治療です。
歯を支える土台である歯の根の治療です。
虫歯を取り除き、神経を除去せず、MTAセメントで蓋をして被せ物で覆います。